便利な場所にあり、かつ、予約も取りやすいので、接待用に時々使っていました。そこそこ安心して人を連れて行ける、程度に思っていましたが、先日、一年位ぶりに行って、かなり激しく失望しました。
良く言えば、クリエイティビティに満ちた斬新な料理なんでしょうが、ちょっと奇をてらい過ぎです。各皿毎に見て、いまいち、というのもあったんですが、それが無かったとしても、あの手の料理はお任せのコース以外ではやるべきでは無いように思います。コースの流れを全てシェフがコーディネイトしている中でなら、ちょっとした驚きを演出したり、味わいに変化をもたせたり、というのを客側も楽しめるでしょうが、前菜とメインをいくつかある選択肢から選んで、というコースの場合、「え゛、フォアグラってこれのことだったの...」みたいな失望にしかつながらないように思います。特に、「日本の食材名を単純に英訳されても何の事か分からへんで」という英語版メニューと格闘した後で、それでも、メインの食材の名前くらいは何とか解読したので、味付けがどうであるにせよ、それがドーンと出てくると思ったら、得体の知れない料理がスプーン2口分くらい出てきた、という状況に如何にも当惑顔の図体のでかい外人、という図を目の当たりにしつつ食事を続けるのはなかなかに居心地の悪いものです。
サービスも以前から、クラブ活動ノリといいましょうか、若い人が結構な数うろちょろしている割には、全然行き届かないものだったんですが、今回一年ぶりだったので、一年分成熟しているかと思いきや、全く変わらない印象でした。やはりクラブ活動と同じで毎年入れ替わっているのでしょうか(笑)。
デザートでも、ローソクで熱した鉄の棒でチョコレートに穴を開けると中からパッションフルーツのジュースが溢れ出す、という演出のある一品があったのですが、肝心のサプライズの場面を、オーダーした当人が話に夢中でよそ見している間に特に注意を引くこともせず、横でさらっとやっちゃって「あーあ」という場面がありました。
いやー、参りました。しかし、このレストランでの食い足りなさが、その後の「朝まで六本木コース」のそもそもの原因ではないか、と思ったり思わなかったり(笑)。