2007年11月アーカイブ

さて、今年も残すところ40日強となったわけだが、今年中に「2006年印象に残ったワイン」シリーズは完結するのか?と相変わらず訝りつつも、とりあえずPart 6。
Part 8で完結予定なので、多分大丈夫じゃないかなぁ、と楽観的に考えつつ...

Part 6で取り上げるワインはDiatom Clos Pepe Chardonnay 2005。
これまでに取り上げたワインに関しては「印象に残った」=「味わいが印象に残った」ということなのだが(普通特に断らんかったらそうですよね?)、このワインについては、ワインができるに至る経緯を含めて、頭でなるほどなと思ったことも「印象」に加味した上でのことなので、「このワインを載せるくらいなら、俺が飲ましてやったあっちの方が..」とお思いの方もおいでかもしれないが、悪しからず。

このワインについて語るには、このワインの前身(?)であるところのBrewer Cliftion Chardonnay Clos Pepe Vineyardについて触れねばならない。端的に言うと、B-CのClos Pepeというのは微妙なワインだったのだ。B-CのClos Pepeってどんなワインと言われれば、多くの人が「ミネラル」と答えるのだ。で、白ワインにとって「ミネラル」というのは多くの場合褒め言葉なのだ。では、ミネラルなB-CのClos Pepeは素晴らしいワインなのかと聞かれれば、微妙なのだ。

私がずっと持ってた印象は「素性は良さそうだが、結果を伴ってない」というものだ。「素性は良さそう」なだけに、今後大化けの可能性は無いでもないわけだが、その結果が未だ出ていない現時点ではやはり微妙と思っていたところ、2005年の秋にLompocを訪れた際にGregからClos PepeのChardonnayで新しいワインを作ろうとしていると言う話を聞いた。

どんなワインかと聞けば、Melville Inoxと同じ路線でさらに先を目指したワインとのこと。非常な低温で発酵させ、マロラクティックは行わず、熟成に樽は使わない。できるだけ何も余計なことをせず、ブドウそのものが持っているものが、ワインの中に表現されるようにとのことだ。また、そのワインはB-Cのワインとしてではなく、別ブランドで出すということだったので、「やはりそのようなexperimentalなワインはB-Cブランドでは出さないことにしているのか?」というようなことを尋ねたところ、「experimental」という言葉が心外だったようで、「僕がやっているのはexperimentではなくて、pushing the limit forwardだ」という返事が返ってきた。行き当たりばったりな実験ではなく、ちゃんとどっちに行くか分かってやっている、と言いたかったのだろう。

で、出来たワイン(Diatom Clos Pepe Chardonnay 2005)を飲んでみれば、非常にフォーカスのビシッと合ったprecisionを感じさせる味わいである。「ミネラル」はいまいち褒め言葉ではなかったわけだが、この「precision」は明確に褒め言葉である。良くこの手の樽無しマロ無しのシャルドネはrazor-sharpなどと表現されるが、カリフォルニアの場合はボディがしっかりとあるので、金属質な印象は受けるもののrazor-sharpというのとはちょっと違う感じである。私のイメージはingotから匠の手で精密に削りだされたパターヘッドとかそんな感じだ。飲みながら、そういう質感を愛でる感じが実に楽しいのだ。

というわけで、Clos PepeのChardonnayにかかっていたモヤモヤを見事に晴らしてくれたGregに賛辞を送りつつ、Part 6の締めとしたい。

最近我が家で飲むビールは殆ど「エビスザホップ」なのだ。一方、過去にこんなエントリも書いたように、一番絞り無濾過<生>も結構好きなビールなのだ。

だとすれば、両方を掛け合わせたかのような「一番搾り とれたてホップ 無濾過<生>」はもしかしたら最強ビールかも知れないと期待してしまうではないか。なので、10月末の発売を予告するメルマガを8月上旬に受け取った瞬間には予約注文を入れてしまっていたのだ。

で、10月27日に届けられた12本を昨日飲み切った訳だが、感想はやや期待外れ。
「一番絞り無濾過<生>」の美点は雑味無くすっと入りながらも余韻に掛けてしっかりした味わいを感じさせるところだ。ここに、それと分かるほどビシッとホップを利かせてしまうと、何の抵抗もなくすっと入ると言う美点とモロに相反してしまうではないか。というわけで、そもそも「一番搾り とれたてホップ 無濾過<生>」という商品企画に無理があったのではないかと遅まきながら気が付いた。

よって、ホップの味わいが好きならエビスザホップの方を買うべし。雑味の無い味わいを求めるならば「一番絞り無濾過<生>」を買うべし。「一番搾り とれたてホップ 無濾過<生>」はわざわざ送料払ってまで買う必要なし。

<おまけ>
なんか、いかにも最近のキリンらしい中途半端さだと思った。サントリーのプレミアムモルツが売れていると言うことをもうちょっとちゃんと受け止めるべきではないんでしょうか?やっぱり外角低めに投げる時は、「ボールになってもいい」ってくらいの目一杯を攻めないと。キリンザゴールドなんかもそうだけど、全部少しずつ真ん中寄りに入ってる気がする。ラガービールでシェア7割という過去の栄光を捨てられない人が社内にたくさんいらっしゃるのでしょうか、何てことまで勘ぐってしまいます。この次はもっとビシッと美味しいのをよろしく。>キリンの中の人

こことかここで見て以来とても気になっていたインディアン本店@蓮沼に行ってきた。

これは旨い。あっさりなんだが、そこはかとない旨みがそこここにあって、実によろしい。チャーシュー、メンマ、味玉全て塩分やや強めなのも、あっさり味のスープに良いアクセント。

で、ここにカレー登場。これが、何の変哲も無い喫茶店カレー(にしては色が濃いかな)みたいな風情。色の濃さどおりにちょっとビターながらいろんな旨みが渾然となった味わい。

で、味の濃いカレーの後にラーメンに戻ると、あっさりスープが物足りなく感じられてしまうのではないかと思いきや....さっきよりも味わいの陰影がくっきりと感じられる。重ねた紙の2枚目に写った文字を読むのに、鉛筆で黒く塗りつぶすと筆跡がよりはっきりと現れるような、そんな感じをイメージしつつラーメンとカレーを行ったり来たり。これが実にお互いを高めあって美味。

大声で「うめぇ」ではなく、しみじみ旨い、一口ごとに旨い。静かに深く感心しました。

<余談1>
ここのスープに比べると、斑鳩は何か一味足りない感じ。店主もそれを感じているから、店のあちこちに「化学調味料不使用」なんて言い訳を張り出したくなってしまうんじゃないかと思ってしまう。

<余談2>
香ばしい、というのはここのカレーのような味わいのこと。なんっつっ亭のマー油はやはり「焦げ臭くて苦い」だと思う。

Sea Smokeのワインはこれまで随分飲んでいるが、リリース後半年くらいの間にバタバタっと何本か飲んで残りはテラダ行き、というのがパターンだったので、リリース後2年経過のボトルを飲むのは初めてだったのだ。

で、初挑戦の結果は....「ウマーーーーーー!」。

リリース直後より明らかに味わいが向上している。何と言うか、旨みがツーーーーーーーッと伸びる感じ。テキスチャもツルツル感が向上していて、ツーーーーーーッと伸びた旨みの後から唾液の分泌を促すような酸がじゅわっと顔を出す。これは旨い。熟成上り坂真っ只中、でしょう。この先にさらに期待!

Sea Smokeに対する私の印象を四字熟語で表すと質実剛健なのだ。充実感とか安定度ではSRH随一だが上手に作られすぎているというか、美味し過ぎるというか(それのどこがいかんのだ^^;?)な感じがして、樽もちょっと過剰に感じることがあったりして、最近は何とかしてSea Smokeのアラを探してやろう、という意地悪な気持ちで抜栓したりすることも多いのだ。が、そのたびに見事に返り討ちにあって、結局美味しいなぁと感心しつつ飲み終わることになってしまっているのだ。

昨日(日付は今日だが)の夜食としか思えない夕食(?)の開始時刻は午前1時半、そんな時間から飲んでる場合じゃないよと思いつつも2時間掛けてボトル2/3飲んでしまった。オカズが「0906」入りビーフシチューだから仕方ないよな、と自分を慰めたりしつつ、メタボまっしぐらだ。

PS 昨日は本当は「0906じっくり検証シリーズ(4日目編)」になるはずだったのだが、おかあちゃんがビーフシチューに残っていた0906を全部入れちゃったので、新たなボトルを抜栓してしまったのだ。0906については、また稿を改めて...イツノコトヤラ...

Viognier Russian River Valley Cartie's Corner Vineyard 2006
Syrah Trio Sonoma County 2005
Syrah Santa Brabara County White Hawk Vineyard 2005
Syrah Carneros Las Madres Vineyard 2005

San Sakanaのワインを飲む会に参加するべくCWGへ向かうも、お約束のように遅刻。事前にAndyさんに40-45分遅れと連絡しておいたら、かっきり45分遅れで到着。
早速注いでもらったViognierは既に全開。綿菓子かと思うようなふわふわした甘い香りがグラスいっぱい。一口目に関しては甘味の余韻がいつまでも尾を引いて、Viognierお約束のミルキーでちょい苦を感じるまで数十秒。二口目からはミル苦がボリューム低く喉を抜けていく感じに変貌。カリフォルニアだと変にボリュームのあるViognierもあるので、その手よりはずっと好感が持てるが、何かもう一息欲しい気がした(それが何かは良く分からんが)。

赤三本は、同時に注いで一口ずつ飲み比べローテーション。何度飲んでもTrioが一番好みなのだ。が、他のは畑名が付いていて、Trioだけ付いていないから、他の二本の方が高いのかなぁ、だとしたら他の二本の美点を見つけないとなぁ、などと思いながら引き続きローテーション。それでもやっぱり、Trioが美味しいなあ、とか思ってたら、TrioはCSとCFがブレンドされているらしいと聞いて大納得。その手のブレンドなら私Fox CreekのJSMが大好きなんですよ、と言っても誰も知らなかった(笑)。

Syrah二本の比較はCarnerosの方がふくよかで、Santa Barbaraの方がスリムな感じ。どっちも普通に美味しいけど、すまん、Syrahは良く分からん。

ということで、TrioとViognierは結構気に入りましたが、値段を聞くとちょっと微妙。2割引なら買うかな...というところ。

と、書くと、ついつい「大リーグボール2号は水に弱い」を連想してしまったりするわけだが、それとは何の関係も無く、雨が降ってくると、会社を出るのが大儀になってついつい帰りが遅くなってしまう、という話だ。

晴れている時は代々木公園まで歩いたり、代々木まで歩いたりすることも多いが、雨が降るとつい初台から乗りたくなってしまう。が、そうなると市ヶ谷で乗り換えて有楽町線に乗るのだが、その有楽町線が結構混んでいるのだ。しかも、混んでいる電車と濡れた傘、という組み合わせを想像するとますます混んだ有楽町線に乗るのが嫌になってきて...とますます会社を出るのが大儀になってくる。

と、憂鬱な有楽町線だが、相互乗り入れが無くなって、池袋どまりの電車になると一気に空くので、ついつい終電間際のそれらの電車を選んで乗ってしまうのだ。で、結局会社を出るのが目一杯遅くなってしまう、というわけだ。

さらに、そんな時間に家に着くと「酒くらい飲まんとやってられるかー」という気分になって、ついつい2時3時まで一人で何だかんだと飲んでしまい、メタボリックの出来上がりというよろしくなさ加減なのだ。

有楽町線が混んでるとか言っても、乗っているのはせいぜい4-5分なので、我慢すればいいだけの話なんだけどね、と書いていると、雨に弱いとか「○○に弱い」という限定条件無く単に「弱い」という気がしてきたが、やっぱりこんなつまらんことを書きながら、有楽町線が空くのを待つワタクシ...

こちらが、その人間のクズの方々です。

以前のエントリでも書いたが、株式公開という道を選択した経営陣自らが、何年も経たないうちに手のひらを返したように非公開化を選択することは許されるべきではないと思う。

このクズどもは、下がりに下がり切った株価の直近三ヶ月の平均値に40%上乗せしただけの6万円という買い取り価格を提示して、「十分なプレミアを付けた」とほざくのだ。

sagibird.gif

このチャートを見れば、それが如何にたわごとかが良く分かるだろう。

このクズどもは、企業価値向上に必要な施策のために、短期的に業績の成長鈍化が生じる懸念があり、株価の不安定化によるリスクを株主様に負わせることになると、株主のことを慮ったようなふりをしているが、「将来」「短期的に」「不安定化する」という程度のリスクを心配する暇があれば、「現在に至るまでに」「長期的に」「大損を既に負わせている」(チャート参照)ということに対する責任をどう取るのかと問いたい。

どんな言葉を弄しようとも、彼らの今回の選択というのは、これまで支えてくださった株主様の大損を確定させ、今後株価が復活することがあればその甘い汁は自分達だけで独占する、ということなのだ。これを人間のクズと言わずして何という。

残念ながら堀主知ロバートに会う機会は無さそうなので、会う人がいたら私の代わりに「人間のクズ!!」と言ってやってください。

今日は折角気持ちよく仕事をして、美味しい酒を飲むはずだったのに、酒をまずくするニュースに触れてしまい残念至極。

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