知ってる人はみんな知ってることだが、「パーク保留」こそが守旧派を支えていたのだ。
日本以外では殆ど使われることの無い機能なので、Asteriskを始め「業界秩序」に頓着しない人たちはなかなか実装して来なかったのだ。
だから、それを大事に守って、実装させないようにさせないようにという戦術も当然理解できるのだ。
が、この記事を読むと、「あーあ、だから言わんこっちゃ無い」感が満載なのである。
記事自体は「日本のメーカーさんはなかなかパーク保留の仕様を公開してくれないから、その通りの実装は出来ないけど、こんなやり方ならほぼ似たことが出来ますよ」という内容に過ぎず、守旧派の皆様方におかれましても、「我々のやり方とは違うし、こんな外国製の電話機買う人いないよ」と大した危機感も抱かずに安穏としておられることが想像できてしまうわけだ。
が、しかし、私が注目するのはこのページの下の方にある図だ。
世の中全体に公開しないまでも、シンパを作るべく限定的にでもパーク保留の仕様を公開しておけば、PBX-centricな世界の延命が図れたのに、この図ではもはやPBXは中心を外れて手足に成り下がってしまっていて、「あーあ」な感じである。
パーク保留ぐらいが実現できても、あれも出来てない、これも出来てない、とAsteriskの弱い点をあげつらうこともまだまだ出来ただろうに、Asteriskを「仮想敵」とすること自体が無意味な世界の到来を自ら早めてしまった印象である。
(元)SkypeのNiklas Zennstromも言ってた、「電話は音声アプリの一形態に過ぎない」は全くその通りと多くの人が思っているはずだが、種類としては多くある中の一つに過ぎなくても、事業規模的には全体の99.9%を占めていたりすると、別に他のアプリに対応できなくても、昔ながらの「電話」っていうハードウェアのパッケージングでいいんじゃないの、とついつい落ち着いてしまいがちだったのだ。
が、ようやくここに来て、Mosaic前夜くらいまで至った感があるのだ。ちょっと前に、携帯の着信音として黒電話のベルの音が流行ったことがあったが、ソフトフォンのスキンに「電話機」を使うと周囲の人にニヤリとしてもらえる時代までもう一息だ。