犯罪的MBO by 牛角

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最近の世の中、ヒドイ話には事欠かないが、今回の(株)レックス・ホールディングスのMBOはその酷さにおいて、相当上位にランクインしそうな話である。
MBOという手法自体に否定的なわけでは全然無いが、ほんの数年前にIPOしたばかりの経営者が自らMBOというのはどう考えても許される話ではない。
現在、レックス・ホールディングの12.9%を所有する西山社長は、MBO後の新会社の33.4%を所有することになるらしい。という一点だけからも、性質の悪い錬金術の臭いがしないだろうか?もちろんMBOに伴う借り入れでDebt Equity Ratioが激しく変化するので、残った株主の持分は「濃く」なる、という程度の算術は理解しているつもりだが、どうにも納得がいかない。
例えば、買い取り価格がめちゃくちゃ安い。一応、MBO発表時点の株価から多少のプレミアはついているものの、50万円以上あった株価がシナジーの見えない安易な買収の繰り返しで20万円台にまで下落した価格に対してのプレミアで、ほとんどの株主にとっては「ふざけるな」としか言いようの無い価格である。しかも、TOB後に株式逆分割を行い、TOBに応じなかった小口株主の保有分を「端株」にしてしまうらしく、プレスリリースの中で「端株の買取条件についてはTOBよりも悪くなるかも知れませんよ」と脅しに近い注意書きまで添える念の入れようだ。
レックスの西山社長については邱永漢氏が自身のサイトで、2004年6月16日から3日連続で、「牛角の西山社長に人格の問題あり」「パートナーを無視して約束を破る牛角の社長」「利益のためなら義理も人情もない牛角の社長」というコラムを掲載したことがあった。内容は、牛角の台湾出店に当たって随分手助けしてやったのに、撤退すると嘘をついて邱永漢氏の持株を安く買い取ろうとした、とか、共同経営者の邱永漢氏を無視して第三者割当増資をしようとした、とかいったものであった。その時は、半信半疑だったが、今回のMBOの一件を知ってしまうと、邱永漢氏のコラムは真実に思えてくるし、邱永漢氏のコラムが真実だとすると、物言う大株主であるところの邱永漢氏に対してすら仁義を守らない西山氏のことであるから、物言わぬ多数の小口株主のことなど省みずにMBO-再上場で丸儲け、というのは至極当然の判断なのであろう。
という訳で、このようなMBOを目的としたTOBには是非不成立になっていただきたいわけだが、株を持っている訳ではないので、TOB不成立には貢献できないのが残念である。せめてもの...というのと、TOBが成立してしまった場合に、本スキームに正義を成すには西山氏の33.4%の持分が激しく虧損する他は無いことから、ささやかにレックス関連会社不買運動を実施することとしたい。今後、牛角、温野菜、am/pm、成城石井...等々は利用しないことをここに宣言するものである。

PS 上で引用した邱永漢氏のコラムはサイトから削除されてしまっているようだが、googleのキャッシュにはまだ残っているので、読むことが出来る。私が保存しているgoogleのキャッシュは11月20日頃のものなので、MBO発表後にレックス側から何らかの削除要請があったのではないかと疑ってしまう。削除しなければ、邱永漢の男が上がったのになぁ、などと考えてしまうワタクシ...

本記事に関連したサイト

アドバンテッジ被害牛角株主のブログ
[R30]: 正直、このMBOはあり得ないだろ
FPN-納得できない牛角のMBO
経営は苦しくても、馬主はやめない~レックスHD西山社長の場合 - BODiTs - Blog Of Discount Tickets - 楽天ブログ(Blog)

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フジサンケイ ビジネスアイの「レックスがMBO 拡大路線を転換」という記事より。>結局、8月に西山社長自らがアドバンテッジパートナーズの門をたたき、助けを... 続きを読む

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何故急にこんな問題が起こったのか全然判りません。ある日突然、寝耳に水状態で届いた手紙?MBOなんたらかんたら。余りにも理不尽なのではないでしょうか?戦い方を教えて下さい。

http://blog.livedoor.jp/advantagehigai/archives/51065492.html
↑のサイトで株主代表訴訟に加わる方を募集中ですので、連絡を取られてみてはいかがでしょうか?

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このページは、ueharaが2006年12月10日 23:21に書いたブログ記事です。

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