少し前の話で恐縮だが、麻布十番での忘年会でゆ○さん(仮名)とご一緒する機会があった。
ご本人によると、「若い頃は六本木でブイブイいわせていた」らしい。が、その夜も別な意味でブイブイいわせていた。
前半は過激な言動の女子二名に対して「良識派」としての姿勢を維持していたのだが、人が減り始めてもしつこく居残ってワインを開け続けていたあたりから雲行きが怪しくなってきた。
「私、どうやって帰ったらいいのか分からなーーい!?!?」と大声で叫ぶその手には一枚の切符が握られていた。
「帰りの切符ちゃんと持ってるやん」と聞くと、「この切符、駅員さんがくれたのーー」と不必要に大音量で、不必要に語尾の延びた返事である。しかも、普通駅員さんは切符はくれないと思う。
「じゃあ、切符の通りに帰ったらええやん。終電までまだまだ余裕やし」と当たり前すぎて申し訳ないような結論を申し上げたところ、「どの電車に乗っていいか分からなーい。京急なんて乗ったことないから分からなーい。JRしか乗ったことないから分からなーい」とのお答えであった。
そこまで言うなら、しかも、素面のうちに帰りの切符を買っておこう、というところまで考えたのなら、なぜ多少遠回りでもJRの切符を買わん!!と思うが、目の前の酩酊状態の方に何を言っても無駄そうだったので、「京急に乗るには、大江戸線に乗って、浅草線に乗って」と懸命の説明を試みる。
が、「私、浅草になんか行きたくなーーい!!」とまたも不必要に大声できっぱりとしたお返事。
「浅草線と言っても、浅草と反対行きにも乗れるし、途中下車もできるし」と、幼稚園児と痴呆老人以外にこんな説明したら馬鹿にするなと怒られるで、というような懇切丁寧な説明を試みるも再度の「私、浅草になんか行きたくなーい!!」攻撃に見事に撃沈。
説明しても無駄みたいなので、京急の駅までは無理でも、近いところまでお送りすることにする。
すると、麻布十番の駅に着くなり、大勢の乗客の皆様の前で「私浅草になんか行きたくなーい!」と始まった。浅草に行くわけではない説明をしてもどうしようもなさそうだったので、ひたすら「どうどうどう」となだめる。
大門で乗り換えて、いよいよ問題の都営浅草線だ。車内の皆様に良く聞こえる大声で、やっぱりはじまった「ねぇねぇ、この電車浅草って書いてるよ。私浅草になんか行きたくなーい!」
これは、浅草線なんだから、車内の路線図に「浅草」とあって何が悪い。ガタガタ言わんでも、浅草とは反対向いて走ってるわい、と思いはしたが口にはせず、「もうすぐだから。泉岳寺で乗り換えだから」とひたすらなだめる。
電車が三田についた。あと一駅だから京急への乗換えを見届けようかとも思ったが、自分の終電もそろそろあやしいし、麻布十番から南北線一本で帰れるところを大江戸線、浅草線、三田線と見事な遠回りにお付き合いしたんだからもう十分だと思ったし、いくらなんでも次の駅で降りて乗り換えろといえば分かるだろうし、それでも迷って家に帰り着けなかったらネタとして面白いだろうし、ということでゆ○さんのみを浅草線の車内に残して降りることにした。
「次だからね。次の泉岳寺で京急に乗換えだからね。次よ。分かる?」なんて、初めてのおつかいに行く子供に言い聞かせるように説明して分かれた。
ゆ○さんは無事に帰れたんだろうか.......
それにしても、今回はこ○も○さんもか○う○さんもいなかったので楽勝と思った私が甘かった。
<教訓>
ベイエリア支部は選手層が厚い
少なくともベイには無事に帰ったようなので大丈夫だったんでしょう。
シラフのうちに電話してよかった(爆)。
お恥ずかしい限りであります。
こんな時、飲んで全て忘れられたらと思うのですが、憶えておりますです。
ただ、自分ではきちんと冷静に話していた、と確信していたのですが、そうではなかった模様で心苦しい限りであります。
あの後、「あなたは終点まで行かず、次の駅発に乗り換えなさい。」と、会話を聞いていたであろう方に教えていただき、始発で座って帰ることが出来ました。
次回来ベイの折は、眠らずに接待にこれ勤めたいと思っております。
Andyからの電話も、憶えておりますです、へへ。
恥ずかながら、私も昔、渋谷界隈でブイブイ言っておりました。
今日飲み会で複数の方から聞かれました。
「ゆ○さんって誰?」「プライバシー保護のために『京急』としただけで実は『京王』のことじゃないの?」「ゆ○さんって私のことかと思った」等々
「ゆ○さん(仮名)」とはしたものの、内容は完全にノンフィクションですので、「ひょっとしたら○○のことでは?」という想像はすべて外れです。
「ああ、あのゆ○さんのことね」と顔と名前(仮名)と声の調子がすべて想像できた方のみ正解です。
ゆ○さん、思ったより同志が多数いらっしゃるようです。ご安心ください(笑)。
ここの読者はみんなやさしいなぁ(Andyさんを除く。笑)。
いやあ,そんな褒められても(笑)。