5巻6巻と面白くないのを無理して読んで、早く完結することだけを心待ちにしていたハリーポッターシリーズをようやく読み終えることができた。
7巻は5・6巻よりは随分面白かったが、取り立てて傑作というほどのものではないと思われる。5巻6巻あたりの面白く無さに投げ出しそうになっている人がいたら、「そう言わずに読んだら」と勧めるが、今からシリーズを読み始めようという人に特に勧めようとは思わない、という程度。
見事なまでに映画のノベライゼーションである。良くも悪くも映画はある一方向にイメージを固定化してしまうので、原作の深みがちょっと削がれてしまうような感があったりするが、ハリーポッターシリーズの場合はそのような原作と映画との距離を感じない。原作が大部で、映画化に際して細かいエピソードがかなり省略されてストーリーのつながりが分かりにくくなるようなところがあるので、それを補うために原作を読むと良い、ということはあるかも知れない。
ハリウッドのシリーズ物の最終話では良くあるパターンだが、最終話だけはオープニングのテーマミュージックが流れずに、通奏低音に乗って始まったストーリーはいきなりメインプロットの小クライマックスに突入、というのを見事に踏襲しているのも、いかにもハリウッド主導で7作書かされた(のかどうかは分からんが)お話らしい。
とか何とか、文句ばっかり言うんなら最初っから読むなってことなんでしょうが(笑)、最後はそれなりのカタルシスもあり、面白かったです。
ハリーポッター全話の面白さ変遷をグラフにするとこんな感じ↓
3巻目まではいい感じだったので、4巻で完結していれば、傑作シリーズと言えたのでは、と思ってしまう。4巻の最後の次巻以降に期待を持たせる感じは悪くなかったので、5巻で完結と言うのもありだったと思う。が、7巻まで書いちゃったのは、ハリウッドと握っちゃったせいでやめられなかったのね、って感じ。
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