読売新聞ワインニュースがいい加減な件について

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Andyさんのところで、カリフォルニアワイン関連の読売新聞記事がいい加減である点が指摘されていたが、ボルドーに関してもかなり「?????」な記事が掲載されていた。

「ワイン醸造の技術が発展途上で、収量が多かった82年には予想外に評価の低いワインが多かった。」とあるが、パーカーの元記事のどこをどう読めばそうなるのか全く理解不能。
原文には"My general observations were that overall, 1982 is a far more concentrated vintage than 1990."とある。凝縮=良いワインかどうかはともかくとして、少なくともパーカーの評価に関しては凝縮=良いワインなのは、皆さんご存じの通り(笑)。また、パーカーの元記事では「1982の方が熟成が遅い」とも述べられていて、これもそれが直ちに高品質とは言えないものの、「長熟」は一般的には褒め言葉である。収量に関しては"Each vintage had high yields."とあるので、どちらかのVintageが特に多いという話ではない。醸造技術に関しては、1990年からの20年で大いに進歩しているので、1990年以降の優良vintageの将来は今回試飲した2つのVintage以上のものになる可能性がある、というコメントはあるが、82から90の間に技術が発展したという記述はない。というわけで、どこをどう読んだんでしょう?googleに自動翻訳させたらそんな文章が出てきたりして????

「かつて100点をつけて高騰したペトリュスの82年は93点。」とあるが、少なくとも瓶詰め以降ペトリュスの82年にパーカーが100点を付けたことはない。

「ドメーヌ・ド・シュヴァリエは55点だった。」というのは事実だが、82というVintageの全般的な低評価を代表する例であるかのように語るのは明らかにmisleading。むしろ、great vintageにおける例外と考えるべき。

「右岸は全体に評価が低く、その後の品質向上を浮き彫りにした。」というのもいまいち。「右岸はその後の品質向上が目覚ましい」という一般論は元記事でも述べられているが、90年以降の個々のワインの評価については何の記述もないので、「浮き彫り」には全くなってないと思う。

プロのライターが書いたとしたら(じゃなかったら誰が書いたんだという話だが)寒いどころではないむちゃくちゃな内容。それに「読売新聞」のブランドを冠して世に出す方も世に出す方。
勘弁してください。>読売新聞

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コメント(1)

「ワイン漬けDiary」の著者の知識のいい加減さはブルゴーニュでもひどいものです。「ワン&オンリーのブルゴーニュ・ブラン」の中で、ブルゴーニュの白のグランクリュはコルトンとミュジニーだけって???こんな人の書く物よく出しますよね。下で連載しているshuz君がかわいそう。

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このページは、ueharaが2009年7月18日 23:26に書いたブログ記事です。

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