発泡酒の功罪

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折角「ビール飲みたい気分」が盛り上がってきているのに、どうしてそれを発泡酒で紛らせてしまうのだ???

ましてや我々残り時間の少ない中高年は「プハーー、ビール旨めー!!」という至福の瞬間が味わえる回数にも限界があることをしっかりと自覚し、その貴重な機会を「ぷはっ、発泡酒そこそこ旨い..」に希薄化させてしまうことによるオポチュニティロスについては何としてでも避けねばならぬという点をしっかりと肝に銘じて残りの人生を悔いなく歩んで生きたいと思うわけなのだ。

という訳で、何で発泡酒みたいな中途半端なものを作るかなぁ、売るかなぁ、買うかなぁ、飲むかなぁ、と発泡酒の生成から消滅までのあらゆる局面が謎であり、さらには発泡酒が日本のビール文化をダメにしている戦犯であると忌み嫌ってきた訳だが、ここに来て突如、発泡酒そんなに悪くないかも、と思うに至ったのだ。

とは言っても、決して「発泡酒意外と美味しいやん。今度から発泡酒にしてみようかな」と言うような意味では断じてない。むしろその逆で、最近各社から出てくるプレミアビールがどれも非常に美味しいことに感銘を受けており、ますます、「発泡酒なんか飲んでる場合じゃない」、というスタンスは強化されているのだ。

では、なぜ発泡酒を評価するかと言うと、各社からとてもしっかりした味わいのプレミアビールが出てくるようになった背景に、ビールと発泡酒(或いは第三のビール)との二極分化があるのではないかと思うに至ったからだ。かつて、ビールしか選択肢が無かった時代にも、各社はシーズン毎に新製品を投入していた。が、それらはそもそも商品企画の段階から、単に「目先を変える」という以上の目的を一切与えられなかったのではないか、というような、気を衒ったパッケージングであったり、味わいであったりで、間違いなくそのシーズン限りで消えていきそうな物ばかりだったのである(残ったのは、ハートランドとエーデルピルスくらいか?)。

1億人に向けたビール作りを強要されていた頃には冒険できなかったが、マジョリティが発泡酒系に流れるようになって、ようやくビール好きのためのビール作りを大手各社も追及できる下地ができたと言うようなことではないのかと思うのだ。

しかも、タバコだと隣の人が吸ってるとちょっと迷惑だったりするわけだが、隣の人が発泡酒を飲んでいるからといって、私に何の迷惑も掛かる訳ではないのである。発泡酒のせいで、世の中のビールが全部不味くなってしまった、というなら忌み嫌う理由にもなる訳だが、むしろ、美味しいビールが増えている状況を鑑みると発泡酒様様ではないのだろうかと思うのだ。

とまあ、この文章を書く気になったのは、「一番絞り無濾過生」が大変美味しかったからだ。相変わらず大半が税金だと思うと、癪ではあるが、それでも、この旨さこの幸せがたったの250円で手に入るというのは有り得ないくらい有難いことである。ああ、日本に生まれてよかった。
合掌。

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コメント(3)

都心の一等地の官舎に住む輩や、料亭で会合を持つ三百代言どもが、税率を云々していることが腹立たしい。

発泡酒のせいで、世の中のビールが全部不味くなってしまった、というなら忌み嫌う理由にもなる訳だが、むしろ、美味しいビールが増えている状況を鑑みると発泡酒様様ではないのだろうかと思うのだ。

→ちゃうちゃう、エビス以外はほぼ全部不味くなった。(特にキ*ン系。私にはこの会社の全種とも発泡酒の後味がするようになったので嫌い)
 で、発泡酒増税論が出て、「発泡酒、価値ないじゃん」となって、慌ててうまいビールを再び作り始めたのだと思うけど。

ハートランド、エーデルピルスとかも手に入りにくいですね。

あら、そうですか?
私はクラシックラガーも好きだし、サントリーのプレミアムモルツなんかも(特にサントリーとしては)出色の出来だと思いますが。なので、エビスしかなかった少し前に比べると選択肢が拡がった印象を持っているんですが..

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このページは、ueharaが2006年4月14日 12:53に書いたブログ記事です。

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