最近のシリコンバレーではあらゆる職種にめちゃくちゃインド人が多い。それは全く結構なことである。唯一問題なのは、彼らは菜食主義者比率が高く、彼らが日本を訪れた場合、日本には菜食主義者対応のレストランが少ない、ということである。
お肉がダメ、と言われたら、「まあ蕎麦でも」と言いたくなる訳だが、そこにもいきなり難関がある。かけでもざるでもつゆには須く鰹出汁が含まれているのである。そこで、私が前いた会社(某社日本法人)には「奴らが気付くまではそばつゆの成分を話題にしない」という暗黙の了解があった。
しかし、懸命にそばつゆから話題を逸らしたにもかかわらず、動物性成分に感づいたBharat(仮名)という人がいた。忘れもしない、大手町ファーストスクエアB2の「そじ坊」でのことである。当時(今はどうなんでしょう?)、そじ坊で単品の蕎麦を頼むとデザートとしてみたらし団子が1-2個付いてきた。そばつゆは食べられないと知ったBharat(仮名)はあろうことか、ざるそばにみたらし団子のあん(あの、甘辛いやつね^^;)を付けて食べ始めた。見るだけでも「うぐっ」な取り合わせであるが、そばつゆを封じられ選択肢の無い彼にやめろとも言えず、黙って見守っていたところ、さすがに不味かったのか、あるいは単にあんが足りなくなったのか1/3くらい食べ進んだところからは何も付けずに蕎麦だけで食べ始めた。そのまま蕎麦だけを食べ続け、1/3程を残して力尽きた。
翌日は、ピザを食べに行った。これなら大丈夫だろうとベジタリアンのピザを注文したのだが、そのピザが目の前に運ばれてくると、食べ始める前にピザの上の野菜を除け始めたのだ。「むむ..?」と思ったわけだが、まあ、たまたま嫌いな野菜だったのかなぁ、などと思って、よしとした。本来ここで気付いているべきだったのだ。
ある夜、皆で連れ立ってイタリアンレストランに行った時のことだ。ウェイターにBharat(仮名)がベジタリアンである旨を告げると、「じゃあ、まずはサラダをお持ちしましょうか?」と当然の申し出。ところが、Bharat(仮名)は「生野菜はあまり好きじゃない」との返事。ウェイターは気を利かせて、「じゃあ、グリルしたお野菜をお持ちしましょうか?」とすかさずフォロー。ところが、この後のBharat(仮名)の言葉に一同驚愕した。
"I don't like vegetable."
マジかおっさん?ベジタリアンといえども嫌いな野菜はあるだろう。キュウリが嫌い、とか、ニンジンは苦手、とかなら十分理解の範疇である。しかし、何らの限定を加えることなく、一般名詞で「野菜は嫌い」と来た。
何じゃそりゃ?
ベジタリアンの定義は「野菜しか食わん人」ではないのか?「野菜しか食わん」かつ「野菜嫌い」な人が食べられるものはΦ(空集合)ではないのか??
「どないせぇ、っちゅうねん??」と言いたくなるところを押さえ、目一杯politically correct(当社比)に「お宅さん、いったい何食うたはりまんねん?」と尋ねると。
"Bread and pasta"
「はぁ?おっさん、それやったら菜食主義者ちゃうやんけ、粉食主義者やんけ。今度からflourianと名乗りなはれ。」と言いたくなる気持ちをぐっと抑えて...
"I see."
と、我ながらpolitically correctにその場をしのぎ、彼はその夜勘定に含まれないパンばかりを食い散らかして帰っていった。
後日、Bharat(仮名)と二人でランチに行った時のこと、パスタを注文して待っていたら、スープが出てきた。チキンコンソメスープだったので、彼が飲もうとするのを制したところ、「実は、外国を旅行中にどうにも食べるものが無かったらチキンは食べることがあるんだ」と言って、美味しそうにスープを全部飲んだ。
Bharat君(仮名)、お願いですから、今すぐVegetarianの看板を下ろして、今度からは黙って鶏食ってください。
パスタの場合,素パスタしか食べないんでしょうか?
チキンの話は置いておいて,栄養大丈夫なのか気になります。
野菜を全く食べないわけじゃなくて、野菜が存在感をもったままの姿で出てくるのが嫌だったように思いました。なので、カレーとかに溶け込んでるものは食べるので、何とかなっているんじゃないでしょうか。じゃあ、天一のスープでも飲ませるか(笑)。
でも、少なくとも太ってはいませんでしたので、足りない目のところでバランスを取ってるって感じだったんですかね?
懐かしいですねーBharat君(仮名)。今頃どうしているんでしょうなー。
そういえばターバンを頭に巻きながら、バーガーキングをほお張るインド系もおりましたな。。。
たつや男爵様、はじめまして。
ターバンを頭に巻いている人はシーク(シク)教徒で、牛肉もOKらしいです。