『Japan Business News』(http://www.jnews.com/)の2000年10月25日号にガリレオのビジネスモデルが紹介されました。
| 『Japan Business News』2000年10月25日号 |
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在宅ワーカーを活用した翻訳業界のネットビジネス動向(2)
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【英文webコンテンツに特化した翻訳業者】
翻訳を依頼したい企業側にすればコストパフォーマンスに優れながらも安定し
た品質も要求したいもの。継続的に翻訳作業が発生するのでれば、個々の作業毎
に翻訳者を探し出すのではなく、信頼できる翻訳業者に対してすべてを任せたほ
うが何かと都合が良いはずだ。
最近ではインターネット上の英文コンテンツを「日本語版」として提供するニ
ーズが急拡大している。ここに着目して、英文webコンテンツの翻訳、その中
でも情報通信分野のコンテンツに特化した翻訳業務を一手に請け負い、急成長し
ているSOHO企業が長野県にある。
株式会社ガリレオ(長野県)では、数あるwebコンテンツの中でも深い専門
知識を必要とする情報通信分野のニュース翻訳に特化した事業を展開している。
同社が現在手掛けているのは主に下記の3サイト。
■Japan.Cnet.com
http://japan.cnet.com/
■HotWired Japan
http://www.hotwired.co.jp/
■japan.internet.com
http://japan.internet.com/
■株式会社ガリレオ
http://www.galileo.co.jp/
【水平な分業体制による翻訳ノウハウ】
ガリレオでは自社内に翻訳スタッフを抱えるのではなく、全国からの「在宅ス
タッフ」を約 100名組織化していて、翻訳業務のみならずシステム開発やweb
制作の仕事までを守備範囲としている。在宅スタッフの居住地はばらばらで、一
部海外を加え、北海道から沖縄まで全域に及ぶ。
このように在宅スタッフをネットワーク化してグループワーク型で仕事を進め
ようとする企業は多いが、具体的なスタッフ育成やノウハウの共有が難しく、事
業として成功しているケースは少ない。
しかし、同社ではメーリングリストやwebによる連絡や情報交換、データベ
ースによる情報の共有システムを構築することにより従来の業者体質である「翻
訳会社と下請翻訳者」の関係を払拭したピラミッド型ではない、マトリックス型
の組織形態を作り上げた。
具体的には、同社から在宅スタッフに対して翻訳を“発注”するのではなく、
仕事一覧の中から各スタッフが自分の翻訳したいコンテンツを選択できるマーケ
ット型を導入している。そして翻訳スタッフから納品された原稿を取りまとめて
チェック、最終的な商品に仕上げるのも同社社員ではなく、遠隔にいる在宅スタ
ッフという一貫したネットワーク型で仕事が進行していく。
ニュース記事翻訳のケースでは翻訳内容の精度を高めるために、納品までに最
低5段階の工程を踏む。翻訳者による「翻訳」のあと、編集者による「チェック
」、デスクによる「最終チェック」、記事内容の専門家による「専門性チェック
」、そして「校正」という順路だ。
このように工程毎に担当者を分業化させることにより、各担当スタッフは限ら
れた範囲のスキルや知識のみで仕事に参加することができるようになる。これは
ガリレオ側にとっても、すべてのスキルを備えたパーフェクトな人材を雇用する
よりも人件費コストを抑えられるメリットがある。また『週に3時間しか働けな
い』『家族の都合で数日前にならないとスケジュールが確保できない』といった
主婦スタッフでも、能力さえあれば積極的に仕事をしてもらえる。
ただし、各スタッフの仕事内容に関してはシビアな管理が徹底されている。独
自の翻訳評価システムを構築し、常に上位のチェック担当者が各納品物の出来上
がりが評価される仕組みだ。そのすべてのチェック結果が「評価」として数値的
に蓄積されて翌月の報酬額に反映されるが、その評価結果に対して本人が納得で
きない場合には直接の責任者に対して異議申し立てをおこなうことも可能。絶対
的なトップダウンによる命令指示ではない水平的な組織構造の中で、常に「適正
な評価」と「信賞必罰」が重視されている。それをネットワーク技術を利用する
ことにより、遠隔の在宅スタッフ間で実現させているのが、他社にはないガリレ
オの強みでありノウハウなのだ。
【地理条件に関係のない競争力】
長野県にあるガリレオが大手webサイトの翻訳を一手に受注できるのは、安
定した品質に加えて、同業者(特に東京)には真似のできない抜群のコストパフ
ォーマンスがクライアントから評価されているためだ。そのため業績は順調に推
移して、2000年12月期の予測売上は1億6000万円、その中の経常利益は1500万円
と安定した黒字経営をおこない、株式公開までを視野に入れている。
ただし、このような地方を拠点にしたバーチャル型企業に弱点がないわけでは
ない。最も留意すべきは、やはり営業戦略である。近距離に大企業が多い首都圏
の同業者と比較すれば、どうしてもアナログ的な営業力の面で地方企業には分が
悪い。ガリレオでもその点は認識していて、今後の更なる規模拡大を狙うには「
営業体制の強化が課題」と考え���いる。
そこで、同社が培ってきた遠隔地の外部スタッフによる���バーチャル・アウト
ソーシング・モデル」を営業部門にも応用することを検討中。つまり、外部スタ
ッフによる東京圏での営業戦略を展開していこうというわけだ。
これからの翻訳業界では、トランスマートのような仲介機能だけを提供するマ
ーケットプレイス型の台頭が予測できるが、クライアント側からすれば信頼性の
面と品質保証が無いことが発注する際のネックとなる。翻訳者側でも、安定した
仕事量の確保と交渉力の点から、すべての仕事をマーケットプレイスから獲得し
ようとするのは難しいのも事実。同じインターネットを活用した翻訳事業でも、
ガリレオのようにアプローチの視点を変えることにより、掘り起こせる市場や専
門分野は多い。
国内企業がネット上での情報提供と収集をするには“英語の壁”を乗り越える
ことが不可欠となるため、今後の翻訳市場は更に拡大することが予測できる。そ
して、そこには既存翻訳業者だけでは対応することが難しい未開拓分野がたくさ
ん潜んでいるはずだ。
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